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2017 06.16
水と人間 その3~『入浴福祉新聞 第5号』より~

『入浴福祉新聞 第5号』(昭和58(1983)年8月1日発行)より

過去の入浴福祉新聞に掲載された記事をご紹介します。

発行当時の入浴や福祉等の状況を少しでもお届けできたら幸いです。

 

 

水と人間 その3

立井 宗興

 

よその土地の水で腹痛をおこすのは、それなりに理由がある。

 

 

私たちは毎日「同じ水」を飲んで生活している。

どんな水にも微量な元素や化合物が含まれ、「同じ水」を飲むということは「同じ元素や化合物」と接することになる。

 

 

腸内には無数の微生物が棲んでいて、重要な役割を果している。

たとえば、我々が野菜を食べると栄養素は吸収できるが、繊維は消化できない。そのままではお腹に詰まってしまうが、微生物はこれを腐敗・消化して体外へ排出してくれる。

 

また、人間が直接吸収できない食べ残しを分解するうちに、ビタミンB12など身体に必要不可欠な化合物を創り出し、我々に供給する。

 

 

こうした大切な任務を背負う微生物は、水に融けている成分も摂取するわけだが、その土地の水に合わせた“個性”をもっている。

 

そこでもし外国などへ行って、我々が以前から養ってきた微生物が異質な水に触れると大変だ。

その微生物が糧としていた水の含有物がなかったり、毒になる化合物と接してしまうからである。

生きられる水環境にない微生物は死んでしまったり、パニック状態になって体内から逃げ出そうとしたりする。

 

 

これが「水あたり」の真相だ、と龍角散社長の藤井康男理学博士は語っている。

 

 

発行当時の原稿のまま掲載しております。何卒ご了承の程お願い申し上げます

 

前の記事

水と人間 その2~『入浴福祉新聞 第4号』より~

 

 

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